子どもの国 能登
1.小さい子どもとどこに泊まろう?・・・能登の民宿編

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北陸学院大学山森ゼミに所属する私たちの考える能登の魅力とは、なんといっても鮮度抜群の海の幸と、そこに住む人々の温かい雰囲気です。そんな能登の魅力を存分に堪能したいのならば、やっぱり民宿が一番!
そこで、私たちが実際に泊まって話を聞いたりしたうえで、能登に来た親子連れにぜひ泊まってもらいたいと思った”お勧めの民宿”を紹介します。

子連れ旅行の悩みが解消!・・・料理民宿田崎荘

能登のシンボルである見附島から徒歩2分、珠洲市にある田崎荘には、親子向けに考えられた宿泊プランがあります。このファミリープランは、温かい笑顔と優しい話し方が印象的な田崎荘のお母さんが、宿泊客の方と話していたときに考え付いたものです。
田崎荘のお母さんから聞いた話によると、親子連れで宿泊に来るお客さんが、宿泊先で一番気になるのが、子どもが他のお客さんに迷惑をかけていないかということ。子どもの年齢が低いほど気になってしまうようです。

確かに小さい子どもは、じっとしていない時があります。また、子どもにとっても旅行やお泊まりは特別なことなので、普段以上に騒いでしまうことも珍しくありません。これはごく自然なことなので、その子どものお行儀が特別悪いわけではないのです。
しかし、周りにいるほかのお客さんに迷惑をかけてしまうのは申し訳ない、と気になってしまい、お母さんやお父さんはせっかくのおいしい料理も食べた気がせず、ゆったりと落ち着いて日ごろの疲れを和らげることもできません。

親子水入らずで楽しめる・・・お客さんとの交流から生まれた安心プラン

そんな気がかりを解消するために考えられたのがこのプラン。通常は広間で他のお客さんと食べる食事を、部屋で家族だけで食べることができます。
さらに、子どもが多少騒いでも大丈夫なように他の部屋とは少し離れた部屋を用意してもらえ、チェックインの時に頼めば、貸切の家族風呂を利用できるサービスもあります。

また、食事をする広間にはふりかけやおもちゃが用意されていたり、料理では煮魚を玉ねぎと一緒に煮ることで自然な甘みを出しているなど、親子連れに対する細やかな心配りが感じられました。

普段、子どもが他のお客さんに迷惑をかけていないか気にしてしまうという方は、ぜひ田崎荘に泊まってみてはいかがでしょうか。
子育ての悩みも田崎荘のお母さんがゆったりと受け止め、ぐずったときは安心してお任せでき、子育ての楽しさもお母さんが教えてくれます。ただし、ゆっくり泊まりたいならば平日(金曜日)の夜がお勧めです。

人との自然な交流・・・民宿漁火

輪島の海岸沿いの崖下に位置している民宿漁火は、囲炉裏が特徴のとてもアットホームな民宿です。漁火では民宿の原点である人と人との交流や、お客さん同士の自然な交流を大切にしているということで、テレビやお茶などは囲炉裏のある茶の間にしかありません。部屋に置いてあるのはテーブルとお布団のみと、とてもすっきりしています。
せっかくの旅行ですから、ほかのお客さんや民宿の人と会話をして交流することも、子どもの思い出に深く残り、貴重な体験になるはずです。
私たちが実際に泊まった際も、県外からいらしたお客さんとごく自然に交流することができました。その交流の様子は、また後の記事で紹介したいと思います。

魚とりの体験や御陣乗太鼓への案内も

また漁火では、実際に民宿のお父さんが漁に出ているので、希望すれば朝の漁に一緒に連れて行ってもらえて、無料で漁を体験することができます。
さらに、私たちが泊まったときには、能登の伝統芸能である御陣乗太鼓の見学にも無料で連れて行ってもらえるとのことでした。いずれもなかなかできない体験なので、子どもの心をぐっとつかむにはもってこいですね。
他にも、小学校入学前のお子さんの料金はもらわないなど、お父さんのお客さんを大切にする気持ちが随所に表れています。

こんな場所なのにリピーターが来る?

そしてもう一つ。実はこの漁火は、急なジグザグの崖下に建っているので、行くのが少し大変です。
そんな場所で民宿を始めた時、「こんな場所でお客さんがくるわけがない」と、町の人は笑ったそうです。確かに私たちも民宿までの坂を車で降りるときは、本当にこんな急な崖の下に宿があるの?と半信半疑でした。
それでも、私たちが予約した日は満員で、新たな宿泊申し込みをお断りする状態でした。玄関に入った瞬間には、靴の行列と賑やかさに驚いてしまいました。お父さんによると、その日だけ特別に人が多かったわけではなく、週末はいつも賑わっているということでした。リピーターも多く、だんだんお客さんの数も増えているのだそう。
きっと、漁火のお父さんの方針やアットホームな雰囲気が、宿泊したお客さんに「知人に勧めよう。」「また来よう。」と思わせるのでしょう。旅先ならではの体験や交流をしたい方には、民宿漁火をお勧めします。