【大脇昆布】トーストに昆布!?伝統継承と挑戦を続ける老舗昆布店

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能登の老舗昆布店「大脇昆布」

大脇昆布は、能登町宇出津で昆布の加工・販売を行う老舗の昆布店です。
その歴史は、なんと約60年前に遡ります。先代である社長のお父様が、昆布の名産地である福井県敦賀市で、20年もの年月をかけて修業を積み、昭和53年から現在の能登町で昆布の加工をはじめました。

なぜ能登で昆布?と思われた方もいるかと思います。
能登は、北前船(北海道や東北の海産物を大阪に運んでいた廻船)の航路“昆布ロード”の中継地点だったため、当時は数多くの昆布職人が昆布の加工を行っていたそうです。しかし時代とともにその数は減少していき、現在大脇昆布では社長ただ一人で昆布を削り、加工しています。

奥様の弘子さんは、主に商品開発や販売に携わり、夫婦二人三脚で事業を展開しています。
大脇昆布のミッションは「すべての日本の食卓に昆布を並べること」。大脇昆布が挑む新たな挑戦や、ご夫婦が考える能登町の未来についてお話を伺いました。

おぼろ昆布ができるまで

大脇昆布といえば「おぼろこんぶ」です。
昆布1枚1枚を手削りし、羽衣のようになめらかで、ふわふわのおぼろこんぶに仕上げています。

おぼろこんぶの原料は、皆さんにも馴染み深い、出汁昆布のような硬くて長い昆布。それらをまずは酢に漬けて柔らかくさせます。おぼろこんぶを食べた時に感じるほのかな酸味は、この工程がもととなっています。その後、柔らかくなった昆布を、薄く・幅広く削っていきます。昆布はそれぞれ長さや厚さが異なるため、1枚1枚丁寧に手削りする必要があるそうです。気の遠くなるような繊細な手作業によって、あのなめらかで上品な味わいが生まれているのです。

食パンに昆布!?大脇昆布の大ヒット商品

大脇昆布には、能登地域のみならず全国から注文が相次ぐ大ヒット商品があります。
その名も「トーストにかけて食べるこんぶ」。粉末状のとろろ昆布と能登塩、クランチ状の“いしる煎餅”が混ざった、トースト専用ふりかけです。塩気のある昆布がトースト本来の味を引き立て、トーストを噛むごとに深い味わいが楽しめます。

この商品は奥様の弘子さんが、パン屋で見かけた“塩バターパン”から着想を得て作られたそうです。クランチ状のいしる煎餅が、単調になりがちなトーストの食感の中にアクセントを加えています。これは、弘子さんの「食べ物がおいしいだけでなく、みんなが楽しい食卓にしたい」という思いが現れた一工夫です。

おしゃれなパッケージは、食卓に置いても映えること間違いなしのデザインです。お客様から「我が家では毎朝争奪戦です」「これがないと朝トーストを食べられない」との声も!

ご夫婦は「今こそ、若い世代の食卓にも昆布が並ぶ生活を送ってほしい」と話します。
昔ながらの手削りの製法で作る昆布を今後も守り続けるために、手削り昆布のお店があることをより多くの人に知ってもらい、新商品の「トーストにかけて食べるこんぶ」はもちろん、定番商品の「おぼろこんぶ」や他の昆布商品などの魅力も、更に伝えていきたいそうです。

ぜひ厚切りの食パンでお楽しみください♪

「おいしい海」が見える

大脇昆布のある能登町の海は透明度が高く、泳いでいる魚が見えるほどです。
夕方には夕日が水面に反射してキラキラと輝きます。空気が澄んだ日には美しい立山連峰を拝むことも。夏の夜には天の川が肉眼で見える日もあります。
この能登町の景色を、大脇社長は「おいしい海が見える」と表現しています。

おいしい海

能登では、今回の能登半島地震の影響で、人口流出と空き地の活用が課題となっています。大脇昆布としても、能登での売り先がこの先数年見込まれないことから、今後は首都圏での販売にも注力していく方針です。そんな状況だからこそ、自分達の商品を通じてもっと能登の魅力を感じてほしい。そして、この「おいしい海」を実際に見に来てもらいたい。それが、ご夫婦の願いです。

自然あふれる、美しい能登の風景の中で作られる繊細で優雅な味わいを、是非一度ご賞味ください。

※記事内容は取材時のものです。掲載情報変更の場合があります。
ご利用・お出かけの際は、お問い合わせ先などでご確認ください。

インフォメーション

【大脇昆布】トーストに昆布!?伝統継承と挑戦を続ける老舗昆布店
店名
有限会社 大脇昆布
住所
〒927-0431 石川県鳳珠郡能登町宇出津山分4-63-2
電話番号
0768-62-3447
営業日・営業時間
月曜日~土曜日
午前9時30分~午後6時
日曜
休業日
※土日祝日はイベント出店などのため店舗は休業している場合があります、
平日も配達等で不在の時間もあるのでお手数ですがご来店前にお電話にてお問合せ頂けると幸いです。
0120-62-3447