全国に伝えよう!能登島のあれこれ
2.南大呑村という村があったのを知っていますか?

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私たちは「地域おこし」を目的として、七尾市南大呑地区を取材しました。南大呑は、明治17年に官制改正によって大呑村とりました。更に明治22年には町村制の実施に伴い、鹿島郡南大呑村と北大呑村に分かれ、昭和29年七尾市に編入合併されるまでの63年間南大呑村と呼ばれていました。今では地図に載っていません。

必見!大泊町の朝市

そんな南大呑地区で、私たちは漁師の方とお母さん方に教えてもらいながら、地元の食材を使って作ったイカめしや青年団の方たちが作ってくれた海鮮汁などの地元料理の昼食をふるまっていただき、特産品や南大呑地域の詳しいお話を聞きました。
まず、漁師の石訳さんから「朝市」についてお話を聞きました。この朝市は七尾市大泊町大間(東大泊バス停横)で開催されています。『朝ぎり市大泊』という朝市は、毎月第二日曜日(予定)の午前8時~10時に開催されています。この話を聞いたときには、既に3回開いたそうで、地元の方々は朝市を定期的に開催したいと考えているそうです。
販売する商品は、「自分たちで作ったもの・採ったもの」が条件です。目的は、他の地域に大呑をアピールすることで元気づけること。また、能越自動車道から大泊に直通する道が開通する予定なので、富山県境に直売場を造る計画もあるそうです。
ここでの体験は、地元の方々から直に話しを聞き直接触れ合うことが出来たので、地元の方々の熱意や暖かさを実感しました。漁師の方に写真をお願いされたりと、とてもフレンドリーで楽しかったです。
正直、能登島に住む方々のイメージは、若い人が少ないと思っていましたが、青年団の方たちのように私たちとあまり年齢が変わらない方も多く、驚きました。そして、海が近いだけあり、魚がとても美味しかったです。

漁師石訳さんに話を聞いている様子
南大呑のみなさんと昼食

知らなかった。お寺の神社の違い

次に、「阿良加志比古神社」神主の大畠さんからもお話を聞きました。「阿良加志比古神社」とは、大呑熊六合郷の総社として崇敬された神社で、式内社・阿良加志比古神社に比定されている古社南大呑にある古社です。
大畠さんからは獅子や天狗、神社などについて色々なことを教えて頂きました。神社とお寺の違いは簡単にいえば、お墓が有るのがお寺で、鳥居が有るのが神社です。少し難しくいうと、仏尊像を安置し、仏教の教えを説く僧侶の住むところがお寺で、日本の神様の御魂を祀るところが神社となります。神社の約9割の割合で鳥居があり、神社は鳥居を境に日常と非日常に分かれているとされています。神社のお参りの方法は、2礼2拍手1礼です。これは神様を呼ぶ合図だそうです。神社にお参りすることによって、自分を新しくする、つまり「魂の再生」を行います。
この神社の近くには大きな木があり、その大きさに感激しました。大畠さんに教えてもらった方法でお参りをしてきました!この時期に神社に来ることはあまりないので新鮮でした。

神主の大畠さん

大迫力の獅子舞に感動!

次に南大呑の青年団の方たちに、特別に獅子舞も見せていただきました。獅子舞と天狗を一緒に見ることは、なかなかないことであり、とても貴重なことのようです。阿良加志比古 (あらかしひこ) 神社の神主さんの話では、獅子舞は幸福を祈る、厄払いという意味がありますが、大泊(おおどまり)では獅子舞は悪者で、天狗が厄払いの意味があるそうです。そして獅子頭の巻き毛は霊力の強さを表しているそうです。天狗はともと豊作を祈るという意味があります。大呑地域の南住神社では天狗は山の神であり、さるたひこの神の道案内役でもあります。地域によって役割や意味が違うことや、由来など知らないことが多く驚きました。

獅子舞を踊る青年団の皆さん

獅子舞と天狗の舞をしていた青年団の方たちは10代から20代が多く、獅子舞を演じるようには見えませんでしたが、舞が始まると役になりきっており、踊り込まれている様子から何度も練習を重ねたことがうかがえました。
そのあと元青年団の方たちの舞も見せていただきました。皆さん本当に楽しそうに踊っていて、表情が生き生きとしていました!青年団の方たちとは一味違った舞いを見ることができ、とても楽しかったです。そして笛や太鼓が獅子舞と天狗の舞をより一層力強いものにしていました。

獅子舞を踊る元青年団の方々
村田さんの田んぼ

人生初の田植え体験!

そして、本日最後のビッグイベント、農家の村田さんが提供してくださった田んぼで田植え体験です。
砂利道の坂を上がって行くと、日本海を臨む田園風景があたり一面広がっています。外は寒く、田んぼの中に足を入れるのは少し抵抗がありましたが、入ってみると意外と温かく、今までにない感触でした。きれいな土には虫がいると聞いていたので、少しびくびくしながらはいりました。案の定、虫の感触を足に感じ何ともいえない感覚でしたが、学生の中には快感を覚えた人もいました。耕耘機とは違い、あまりきれいな列にすることは出来ませんでしたが、昔ながらの手作業で田植えが出来たことは、とても貴重な体験でした。田植え終了後は、近くを流れている生活排水のないとてもきれいな小川で足を洗いました。 
飲めるくらいに澄んでいるこの小川はすごく冷たくて気持ちよかったです。この緑いっぱいの大自然の良さや、地元と方々の暖かさをたくさんの人に伝えられたらいいなと思いました。

田植え体験中の学生たち