灯を、穴水商店街に
3.穴水カヌーの魅力

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私たちは穴水町の中心に川がある地理的特性を活かし、川の魅力を引き出せば、商店街の魅力が一層増すのではないかと考え、商店街中心部を流れる真名井川に着目しました。そこで今回私たちは、穴水町商店街の活性化策を検討する地元の方々とともにカヌーに乗って、川から眺める穴水町の魅力探しに出かけました。

初挑戦!苦戦する操縦

2009年8月。私たちは初めてカヌーに乗りました。艇庫があるB&G前から穴水町商店街を巡り1周する全長約2キロのコースに挑みました。慣れた人なら1時間足らずで1周するコースですが、カヌー初心者の私たちは大苦戦。真名井川は流れがとても緩やかで、流れの影響はほとんどありません。しかし、1周どころか、その場でぐるぐる回るだけで、前に進むことさえできません。また、行きたい方向とは真逆に進んだりと、当初の1周計画はもろくも断念せざるをえなくなりました。それでも最後まで商店街の方々が見守って下さり、お互いに「がんばれ!」と声をかけながら思い思いに楽しみながら楽しいひと時を過ごすことができました。

地域の方からカヌーの手ほどきを受ける
穴水町の中心を流れる真名井川

その後、穴水商店街に戻り、穴水町まちなか再生協議会メンバーの方々と、カヌーの魅力、町の魅力についてについて話し合いました。このとき、協議会メンバーの50代の男性から、小学校の頃は学校の授業でカヌーをしていたという話を伺い、カヌーや真名井川の魅力を、町の人たちはもちろん、さらには町外の人たちにもっと発信すればよいのに、と強く思いました。

2回目は余裕!?カヌーから町を見る

10月上旬、私たちは2回目のカヌー体験にやってきました。この日はとても気持ちの良い秋晴れで、空と太陽と雲が真名井川の水面に映りとてもきれいでした。川の中をのぞくと、汽水域に生息する貝や、小さな魚たちが泳ぐ姿をたくさん発見できました。すすきなどの川辺の草も美しく、川からしか眺めることのできない穴水の景観に感動しました。いつも何気なく渡っていた橋も、川面から眺めると1本1本に歴史の趣を感じ、これまで気づくことのなかった新たな穴水の魅力に触れることができました。

前回よりも腕を上げた私たちは、カヌーに乗りながら、雲を眺めたり、仲間と会話をしたり、写真を撮ったりしながら、船上のひと時を満喫しました。この日は商店街の方も一緒にカヌーに乗ってくださり、真横で漕ぎ方のコツを教えてもらいながら、町の魅力に話をはずませました。カヌーに乗っている間、川沿いで畑仕事、や散歩をする地元の人たちが話しかけてくれます。色とりどりのカヌーが川面に浮かび、カヌーを楽しむ人と町民との会話が行きかう。ぽかぽかした日差しを浴びながら、ゆったりとした流れに身をゆだねる。そんな穴水町の未来予想図を思い描きました。

穴水町商店街とカヌー

現在、穴水町ではカヌークラブが設立されており、商店街の人たちが中心となり、カヌーを通じて町の魅力を発信しています。今後、都市部の子どもたちが穴水に遊びに来て、穴水の子どもたちと一緒にカヌーに乗るといった光景が見られるかもしれません。
今回の体験で、私たちは穴水でのカヌーの魅力に見事にはまりました。春には、桜を見ながらカヌーで穴水商店街を1周する予定です。自然と一体となり、穴水町を川の目線から眺めることができるのは、カヌーに乗ったときにしか体験できない醍醐味です。また、カヌーを通して、自然だけでなく、穴水の人々のあたたかさに触れることもできます。
今後カヌーは、町内の人にとっては新たな町の新たな魅力発見の機会となり、能登を訪れる人にとっては、穴水町の人々のあたたかさに触れる機会になると思います。