「まあそい」能登島
「まあそい」みなさんはこの言葉をご存知でしょうか?
これは能登島の方言で「豊かな・よく実った」という意味があります。この「まあそい」の言葉通り、能登島には豊かな自然や風景、文化が広がっています。農地が島の総面積の約2割を占める能登島では、お米や野菜、果物などの多様な農産物が生産されています。そんな能登島の自然や文化を守り、次の世代に繋げていくために生まれたブランドが、「能登島まあそい」です。
今回は、Webサイト「能登島まあそい」を運営する一般社団法人「のと島クラシカタ研究所」の福嶋葉子さんにお話をうかがいました。
能登島の米の魅力
能登島まあそいでは、能登島の米農家さんたちが生産したお米を自社で梱包し、「能登島の米」として販売しています。能登島の米の魅力は、なんと言っても生産者の顔が見えること。パッケージには生産者と生産地が明記されており、トレーサビリティが徹底されています。また、一般的に市販されているお米は複数の生産者が出荷したものが混合されているケースが多い一方で、能登島の米は単一の生産者のお米が届くことも特徴の一つです。他の生産者のお米と混ざることなく、米農家さんが真心を込めて育てたお米そのものを味わうことができます。
「特別な日のお米を作りたいのではない。毎日食べる、毎日おにぎりにして持っているようなものが能登島の米であってほしい」と福嶋さんは話します。日常のそばで親しまれ、日本中の人々に愛されるお米を目指して、日々能登島の米を全国に届けています。
米とともに生きる
能登島の米農家さんの暮らしは、米作りを基軸とした一年のサイクルに根ざしています。四季の移ろいに合わせ、米作りを中心として日々の生活を営んでいます。近年、能登島は米農家の減少が課題となっています。高齢化にともなって、若い世代の米農家が他の人の田んぼの米作りを引き受けるといった状況もみられ、若い世代の負担も大きくなっています。
福嶋さんは、能登半島地震をきっかけに能登島の米農家さんたちが米作りを諦めてしまうことを懸念しています。米農家さんの生活を守り、能登島での米作りを絶やさないために、能登島まあそいでは少しでも高い価格でお米を買い取る取り組みを進めています。米農家さんと能登島まあそいが紡ぐストーリーや背景に共感した人に購入してもらい、全国に能登島の米のファンを増やしたいと願っています。
能登島のこれから
「能登の魅力はいろんなものがあるところ。特定の特産物がひとつ突出しているといった状態ではなく、いろいろな事業者さんが魅力ある商品を作っている」と、福嶋さんは語ります。そんな能登島に今求められているのは、「チームプレイ」だそう。
農業従事者の減少や能登半島地震からの復興に立ち向かっていくためには、能登島の人々がみんなで協力し合い、幅広い視点から能登の風景を守っていくべきだと福嶋さんは考えています。
能登のこれからを思う能登島まあそいの熱い思いと、米農家さんの真心がたっぷりこもった「能登島の米」、是非一度味わってみてはいかがでしょうか。