【大吞】大吞に伝わる保存食「巻鰤」の魅力とは?

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大吞名物・巻鰤ができるまで

巻鰤(まきぶり)は能登に伝わる伝統的な保存食。冬に獲れた鰤を半年間干して熟成させてつくる、塩味とうまみがたっぷりの巻鰤は、酒の肴にぴったりです。その人気ぶりは、国際線の機内誌でも紹介されるほど。巻鰤は、冬に獲れた脂ののった寒鰤を塩を用いて長期保存して一年中楽しめるようにすることや、鮮度を保ちながら遠方に届けることを目的につくられました。巻鰤の生産には、約8か月もの長い期間を要します。まずは漁獲して間もない鰤を高濃度の塩水に数週間漬け込み、鰤にしっかりと塩味を定着させます。その後、漬け込んだ鰤を陰干しし、水分を飛ばしてしっかりと乾燥させます。ここからが、職人の腕の見せどころ。天日干しした藁で乾燥させた鰤を包み、縄で強く巻き上げます。ベストな力加減で美しく巻き上げると、古くから受け継がれてきた巻鰤のすがたが現れます。藁で巻いたら、軒先などにつるして屋外で約半年間干しじっくりと熟成させます。このように、職人たちのていねいな手作業を通して、おいしい巻鰤はつくられるのです。

ほっとするあたたかさ「おおのみんな」

南大吞郵便局となりのレストラン「おおのみんな」は、大吞地域の女性たちが運営するまちのお食事処です。お母さんたちの気さくであたたかい接客が魅力であるこの店の看板メニューは「巻鰤チャーハン」。彩り豊かなチャーハンに薄く切った巻鰤が二切れ添えられている、塩味のきいたおおのみんなでしか食べられない貴重なメニューです。開発した女性スタッフによると、巻鰤チャーハンは何気ない日常生活の中で思いついたそう。巻鰤を使ったチャーハンを作ろうという着想から、臭み消しに長ネギ、彩を足すために卵を加えて…と、次々に具材を考えていくうちに、現在の巻鰤チャーハンが完成したそうです。巻鰤チャーハンは日替わりランチと同様に人気メニューのひとつですが、地域外からくる多くのお客さんのほとんどとは、「巻鰤ってなんですか?」という会話から始まるそうです。また、店内では時期によって巻鰤が販売されていることも。高級食材である巻鰤を気軽に味わうことができるおおのみんなは、「大吞のみんな」から愛されるレストランです。

巻鰤チャーハン

インフォメーション

【大吞】大吞に伝わる保存食「巻鰤」の魅力とは?
店名
おおのみんな
住所
石川県七尾市花園町ワ 部1
営業時間
11:00~15:00(日曜・水曜定休)
電話番号
050-6861-3622