下見板張りに大きなシャッターと煙突が目印
徳田駅からほど近い、田園風景の広がるエリアにある「直江道具店」は、店主の個性がにじみ出る古道具屋さん。経年変化で落ち着いた色合いになってきた下見板張りに、ひょこっと飛び出た煙突がなんとものどかな佇まいです。
もともと七尾のまちなかにある一本杉通りで雑貨店と洋服店をされていましたが、2019年10月、「直江道具店」としてオープンしました。雑貨店を営んでいた頃から倉庫として使用していた場所のロケーションが好きだったので、新たに店舗として改装して、大きめの家具なども本格的に扱うようになったそうです。
週末になると、金沢や富山から次々とお客様が訪れるスポットとなっています。
気に入ったものを長く大切に使う
開放感のある店内に並べられた商品は、いずれも店主の直江さんが直接仕入れてきたものたち。骨董品の競りだけでなく、古民家の蔵ざらえなどで掘り出し物を買い付けることもあるとか。能登の人たちの暮らしの中で使われてきたものが、直江さんの目利きによって捨てられることなく、新しい持ち主へと受け継がれていく。そんな、時間を超えた人とモノとのマッチング空間です。
雑貨店を始めて1年くらいして、徐々に古いものに興味が出てきて古道具を扱うように。基本的には、美術品ではなく、生活の中で使う実用品を取り扱っています。
併設のカフェではオリジナルブレンドを
窓から見える田園風景を眺めながら、直江道具店オリジナルブレンドと自家製のスイーツを楽しむことができるカフェも併設されています。
取材は土曜日でしたが、次々とお客さんが訪れていて、それぞれにお気に入りの一品を探しながら、楽しんでおられました。器好きな方、暮らしを大切にしている方など、ここを目的地にして来られる方ばかり。
古いものを大切に使うというライフスタイルが、自然体で、心地よい。自然の中にある古道具屋さんだからこそ感じられる、豊かな時間がそこにはありました。
「暮らし」が「しごと」
使い捨てのものが身の回りにあふれる現代。自分が気に入ったものだけを選んで、大切に使いながら暮らすことは、とても贅沢なことかもしれません。
「ちゃんと手をかけてつくられているし、いろんなデザインがあって面白いです。」
古道具の魅力を語る直江さんは、ご自宅のアルミサッシを取り外して、木枠の窓に取り替えたというほどの古いもの好き。
「古いものは、長く使えるし修理もできる。たとえば、建具などもガラスが交換できるようになっているんです。」
自分の気に入ったものに囲まれて暮らすことは、とっても豊かなこと。そんな店主の「暮らし」が、垣間見られるお店です。
ぜひ、あなたもお気に入りの一品を見つけにきてください。
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