全国に伝えよう!能登島のあれこれ
5.島宿 せがわ

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島宿せがわは平成元年7月1日に開業され、今年で22年目になります。建物は地材にこだわり、輪島で取れる能登あて(ひのきの仲間)を使っています。田舎の町は黒い漆の家が多く、暗い印象なので木の温かみを出すため、あえて「あて材」を利用したそうです。これも一種の地産地消になるのではないでしょうか。客間の壁は赤壁にしています。この赤壁は、お酒がすすむ色だそうです。

島宿せがわ入り口
島宿せがわ正面

元力士のご主人

この民宿のご主人である、せがわさんは能登島相撲協会の理事長であり、少年相撲の指導をしています。指導をした中には現在プロになっている人もいるほどです。ご主人は元力士であり相撲が大好きで、大会が近くなると、時間を忘れて稽古をつけることもしばしば笑
「10分で帰ってくるから!」と言って、10分、20分、30分と延びついには、お客さんが来る10分前に帰ってきては奥さんに突かれるそうです笑

100万円の化粧まわしをつけているご主人

民宿の玄関には化粧まわしを着けた、せがわさんの写真が飾られ、お客さんの目を引きつけます。お客さんの中には『元力士のご主人』ではなく『コスプレ好きのご主人』だと思っている方もいらっしゃるようで、その話で盛り上がることもよくあるそうです笑
元幕内 天ノ山関の十両時代の化粧まわしを頂く機会があったそうです。わたしたちも本物を見せていただきましたが、とてもきれいに刺繍が施され、全く相撲に詳しくない私たちでも高価なものだろうと分かるほどでした。

二人で一人のおしどり夫婦

夫婦二人で民宿を経営し、毎日書いているブログからも2人の仲の良さが伺えます。この取材を始める祭にも、『私たちは二人で一人だから』とおっしゃっていました。お二人に民宿をやっていて思うことを聞いてみました。
お二人は、島宿で出会った人々との触れ合いを大切になさっているようでした。幼い頃から家族で来ていたお客さんが、大人になって彼女を連れて来たときには、とても嬉しかったと話していました。他にも、一人で傷心旅行に来たお客さんが「能登の人は他人の自分を受け入れてくれる。能登島の人の笑顔を見て元気になった。」ということもあったそうです。

島宿せがわのご夫婦

民宿をやっていく中で、お客さんが元気になってくれたり、年々成長していく姿を見ることができて『大変』ということよりも『楽しい』ということの方が大きく、毎日が充実しているとおっしゃっていました。
能登島の方たちは、親戚のことを「やおち」と呼んでいます。お二人は、人と人との触れ合いや空間作りを大切にしており、能登島の来た人々をやおちのように迎え入れてくれます。ゆったり出来る空間を作り出すことが民宿と旅館の違いであると言っておられました。私たちも、ご飯の後にアイスを買いに行ったり、取材をしていても本当に昔から知っているかのような親しみがあり、ほっこりしてきました。

せがわ自慢の夕飯

夕飯には塩ちゃんこや能登牡蠣、お刺身などをいただきました。どれもとても美味しかったのですが、特に塩ちゃんこは瀬川さんが力士時代に作っていた本物のちゃんこ鍋で、島宿せがわ自慢の一品です。量も力士用の量が用意され食べきれないほどでした。たくさん食べてもらいたくてと、サービス精神旺盛な一面が伺えました。能登の食材をたっぷり使った能登の食を満喫してきました。 
現在、息子さんが東京で職人として修行中だそうです。また、夫婦で手打うどん・そばを習っているそうです。島宿せがわに宿泊した際に手打うどんやお寿司が食べられる日も近いかもしれません。

せがわでの夕飯(一部)

私たちは島宿せがわに宿泊し、能登のあたたかさを知ることが出来ました。一見観光資源が少ないようにも見えますが、実は野生のイルカやウミホタルも見ることができます。特にウミホタルは地元の人も知っている人はわずかしかいません。能登島の海は穏やかできれいです。だからウミホタルが生息しています。ウミホタルは「宝の島 能登島」の宝石です。こういった情報も、せがわさんや地元の方とお話する中で教えていただきました。せがわさんは、七尾には環境資源がいっぱいあるのに知られている部分が少なくてもったいない。もっと七尾の良さをたくさんの人に伝えていきたいと、おっしゃっています。