能登半島における刈建築様式
能登民家写真集#3

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今回は、石川県羽咋郡志賀町周辺の民家とその情景の写真を7点掲載した。

この場所には、海が入り組んでいて、その周りをぐるっと民家に囲まれた場所があった。岸を覆うようにある民家も壮観だし、絶壁の上にところ狭しと並んでいる家々にも驚かされる。能登には、海や空といった蒼や森や木々の碧がよく似合う。

奥に風力発電の風車が一つ見えるところは、やっぱり自然との共生を大事にしつつも、電力などの近代文明の力を必要としているところがうかがえる。地区の発達に伴い、様々な新たな設備が必要となるが、そこで何を選択してその地区を発展させていくのか、ということは重要なことだが、同時に難しいことでもある。特に、その土地に古くから住んできた人々の風景を変えてしまうわけであるから、地元の住民にとっては、こういった設備の発達というのは、大きな問題である。

その中で、もともと風の流れる状態など土地が、風力発電を設置するのに適切であったとしても、それを選択し建設したということは、この地方には、文明として前に進む力が備わっているということを表していて、同時に風力発電を選択する、自然との付き合い方に関するビジョンが垣間見られる。例えば、ここに原発や火力発電が受け入れられるかどうか、ということである。

最後の写真にある小さな祠はなにを祀ってあるのかわからないが、小さくてもきれいに掃除された祠の様子からはそこに住む人々の思いやりや一つ一つ、そこにあるものを大切にする思いが伝わってくる。

古川 幹洋