江戸時代末期から続く「白藤酒造」

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伝統的な町家が並ぶ鳳至上町通りに面する白藤酒造。九代目の若き杜氏が、「奥能登の白菊」の伝統に、蔵人として支える若女将とともに新たな息吹を吹き込もうとしています。

お客様と切磋琢磨

多くの固定ファンを持つ白藤酒造さん。新酒が出る頃を心待ちにしているお客様が大勢いらっしゃるようです。なるべく多くの方に飲んで頂きたいという事で、生産量も可能なかぎり増やしているそうですが、人気の種類は夏くらいで売り切れてしまうものが多いとか。
女将さん曰く、最近はいろいろな情報が行き届いているので、お客さんの方がお酒について詳しくなって来ているし、小売店さんでも自分で聞き酒出来て、これが欲しい!と言ってくるそうです。
そうすると、やっぱり、それに答えられるようなお酒でないと売れない、買って頂けないし、造る方のやり甲斐も大きいそうです。
能登半島地震では、酒蔵である土蔵に大きなダメージを受けましたが、コンスタントにいい条件で酒を造れるようにということで、設備を近代化されました。
平成18年より九代目喜一さんが杜氏として本格的に酒造りを始め、同じく酒造りに取り組んでいる若女将さんと一緒に、白菊に新たな息吹を吹き込もうと張り切っているそうです。

冬の酒蔵見学

また、白藤酒造では地酒造りの現場である酒蔵の見学も受け入れています。
時期やタイミングによってはご覧頂けない場合もあるようなので、あらかじめご了承下さい。
毎年1月~2月にかけて、輪島にある4つの酒蔵さんで1週間ごとに順番で酒蔵見学を受け付けています。清酒が出来るまでの説明と、絞り立ての酒を一杯飲ませてくれます。その時期には是非足をお運び下さい。

鳳至上町通り

白藤酒造のある鳳至上町通りは、昔ながらの家や商店が並び、とても風情のある通りです。漆屋さん、お菓子屋さん、せんべい屋さん、靴屋さん等、個性豊かな商店が、地元に根付いて営業おります。
数年前から鳳至上町街づくり推進協議会が発足され、このまちづくり活動を機に、また震災を機に、ますます地域の繋がりが増え、外から来る人を温かく迎えている事でしょう。
女将さんのは、『鳳至上町通りに人がもっと来る事。観光バスで来てもらっては困るけど、興味を持った方達が1人でもこの鳳至上町通りに来て欲しい。』と、お話しされていました。
鳳至上町に一歩深く足を踏み込んだ時、本当の良さが見えてくるかもしれません。

概要

1722年廻船問屋として創業、質屋を経て、江戸時代の末期から酒造りを始めた酒蔵。廻船問屋時代の屋号「白壁屋」より白を、重陽の節句にある「菊酒」より菊をいただき『白菊』と命名、現在は全国の「白菊」と区別するため『奥能登の白菊』という商標になっています。

※記事内容は取材時のものです。掲載情報変更の場合があります。
ご利用・お出かけの際は、お問い合わせ先などでご確認ください。

インフォメーション

住所
石川県輪島市鳳至町上町24
電話番号
0768-22-2115
URL
http://www.hakutousyuzou.jp/