小売店とともに特徴あるお酒を目指す「鳥屋酒造」

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地元にも、遠方にもファンの多い鳥屋酒造が作る”池月”。水面に月が映えているような、穏やかな印象を受けますが、意外や、平家の名馬に由来した名前なんだとか。

販路を金沢へ

中能登町は、繊維の町。繊維産業の発展と共に、他の商業も歩んで来ました。景気も良く、酒の席も多かったのでしょう。その頃は地元だけでお酒が捌けていたそうです。
しかし、繊維産業がふるわなくなって来た頃から、地元での消費量も少しずつ落ちて来たと社長さんは言います。そこから打破する為に新しい販路を求めていったそうです。
そんな頃、金沢等の都市では、酒の量販店の進出に小売店の酒屋さんは頭を悩ませていました。”量販店と同じではいけない、特徴のある、独自の酒を売って行こう”という方向性が出て来たそうです。そんな2者の意向が合致し、人との付き合いの中から、2者が知り合い、取引が始まるようになりました。現在では金沢で鳥屋酒造の酒を扱ってくれている”小売店”は8件ほど。どこも、とても一所懸命売ってくれるそうです。

池月ステッカー

今では、池月を扱う小売店が何社かで結束し、”池月ステッカー”なるものまで作ってくれたようです。ステッカーには『蔵元と酒屋、そして皆さんのお力添えがあるからこそ、日本酒文化は継承されます』と記してあります。また、面白いのが、英語でもかいてあることです。インターナショナルなんですね。このステッカーを小売店の方々が作って下さったという事に、いかに鳥屋酒蔵が、そして”池月”が酒店の方やお客さんに愛されているかという事がわかります。

シンプルな佇まいのお店

鳥屋酒造は、七尾と羽咋を結ぶ”西往来”沿いに位置しています。
見た目は飾り気のない、シンプルな建物。
中に入ると、とっても味のある、懐かしさも覚えるようなお店&事務所になっています。お店には、自社の日本酒のみ販売されています。
地元の人、池月を知っていて通りかかったので買いに来る人、など”池月”が目的のお客さんが立ち寄って行くそうです。

池月の由来

「お客さんからは、池月って池の水面に月が浮かんでいるイメージでキレイな名前ですねと言われるんですが、実は名馬の名前からきているんです。」と社長さん。
名馬池月の言われを聞いたところ、昔能登島の牧山(今の家族旅行村weランドがある周辺)産の名馬であり、源頼朝公が愛でた愛馬だったそうで、頼朝公受領の証文に今も残り伝えられているそうです。酒蔵のますますの飛躍を期して、この名馬から名前を頂いて”池月”という銘柄になったのだそうです。
お店の横にあるシャッターに、勇ましそうな白馬が描かれていました。

蔵への入り口の扉。”池月”と、渋く浮き上がっています。
酒を絞る道具。
蔵の中でお話ししてくれる社長さん。
入り口にはちょっとレトロな雰囲気の受付とカウンターがあります。
暖簾、前掛けが昔ながらの酒屋さんをイメージさせてくれます。

※記事内容は取材時のものです。掲載情報変更の場合があります。
ご利用・お出かけの際は、お問い合わせ先などでご確認ください。

インフォメーション

住所
石川県鹿島郡中能登町一青ヶ部96
電話番号
0767-74-0013
URL
https://ikezuki.net/