長い歴史をもつ輪島塗という文化
石川県輪島市で作られる漆器の輪島塗は、完成するまでには100以上の工程があり、多くの職人たちの手によって大切に作られています。
強度を持たせるために、木の椀に漆を何度も塗っていきます。美しさはもちろんのこと丈夫であることから多くの方に愛されています。
自分好みの輪島塗を探すことができる店舗は輪島市内には多数ありますが、その中でも「天甚権兵衛商店」は輪島塗の歴史においても、とても貴重な施設を持ち合わせた店舗です。
貴重な「ぬし蔵」をもつ天甚権兵衛商店
輪島朝市通りに並ぶ天甚権兵衛商店は、文化12(1815)年創業の塗師屋です。
こちらの店舗にある貴重な施設が「ぬし蔵」と呼ばれるものです。
「ぬし蔵」とはいったんどのような場所なのでしょうか。
その昔、輪島塗を購入する際は「ぬし蔵」に展示してある見本の中から希望の柄や形を塗師に伝え、自分のオリジナルの椀などを作ってもらっていたそうです。
この「ぬし蔵」の中には、明治期から昭和初期につくられ、骨董的価値の高い椀や膳、職人が使った古い道具類など数多く展示しています。
また道具と一緒に、見本だった品も見学することができます。
この場所は、お客様のご要望の通りに1つ1つ丁寧に輪島塗を作り提供してきたという貴重な資料でもあります。
店主は、現在でも昔ながらの技法を使い塗師として活躍していらっしゃいます。その為不明点があれば丁寧に教えてくれます。
ぬし蔵は見学無料ですので、見学希望の方は店主に伝えてください。
「天甚権兵衛商店」は、輪島塗の歴史も一緒に学べる店舗です。
取材日:2021年1月
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