能登の婚礼文化を今に伝える「花嫁のれん館」

記事をシェア

婚礼の風習を学べる場所

花嫁は嫁入りの際には、敷居をまたぐ前に、嫁ぎ先の玄関にて両家の水を素焼きの盃に注ぎます。これはお互いの家の水が交じり合い、一つの家となることを示しています。そして水を飲みきったら、玄関先で素焼きの盃を割ります。これは生家には戻らないという意味があります。
この行事を終えた後、花嫁は家の中へと進みます。

花嫁のれんは母から嫁ぐ娘への愛の形

花嫁のれんは幕末から明治時代から伝わる、加賀藩の能登・加賀・越中で始まった婚礼の風習です。嫁ぐ娘に母が贈ります。花嫁のれんは嫁入りの時に嫁ぎ先の仏間に掛けられ、花嫁はそののれんをくぐり、嫁ぎ先のご先祖様に挨拶をします。

婚礼後はタンスで眠っていることが多かった「花嫁のれん」ですが、その美しい暖簾と能登の文化を多くの方に見ていただこうと花嫁のれん館が設立されました。

花嫁用の花嫁のれん
花婿用の花嫁のれん

明治から平成までの花嫁のれんが展示されている「花嫁のれん館」

常設展示室には明治から平成までの花嫁のれん、約10種類が展示されています。花嫁のれんの移り変わりや、その時代の特徴を学ぶことができます。

花嫁のれんくぐり体験

館内には七尾仏壇と田鶴浜建具が特徴的な能登の仏間を再現したスペースがあり、ここにも花嫁のれんが展示されています。

実際に花嫁衣裳を着て「花嫁のれんくぐり」を体験することもできます。花嫁のれんは覚悟の暖簾とも言われているそうです。この暖簾をくぐってお嫁に行ったらもう後戻りはできません。花嫁はそのような覚悟をもって花嫁のれんをくぐると言われています。

「花嫁のれん館」では、とても美しく、人々を魅了する花嫁のれんを間近で見学することができます。能登の婚礼文化や歴史などわからないことは、館内にいるスタッフが詳しく教えてくれます。

※記事内容は取材時のものです。掲載情報変更の場合があります。
ご利用・お出かけの際は、お問い合わせ先などでご確認ください。

インフォメーション

住所
石川県七尾市馬出町ツ部49
電話番号
0767-53-8743
営業時間
9:00~17:00 (入館最終受付は16:30まで)
料金
・高校生以上 550円
・小中学生 250円
・幼児 無料
定休日
年末年始(12月29日-1月3日)と 展示替え期間
駐車場
アクセス
【電車で】金沢駅から特急かがり火で七尾駅まで約1時間、七尾駅から徒歩8分
【車で】のと里山海道の上棚矢駄ICから約30分、又は能越道の七尾ICから約10分
【バスで】新高岡駅から わくライナーで七尾駅まで約90分、七尾駅から徒歩8分
URL
http://hanayomenorenkan.jp/