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おばあちゃんの暦

かきもち作り
(2月)


寒の時期に行う仕事は以外と多い。
かきもち作りもその一つ。
この時期に仕込んで、家の中にしばらく吊るしておく。
かきもちが部屋いっぱいに吊るされ、スダレのようになっているのはなかなか風情のある光景です。

※内容、時間、料金など掲載情報は取材時のものです。
ご利用・お出かけの際は、お問い合わせ先などでご確認ください。

毎年、寒入りするとかきもち作りを始めるという、輪島市三井町の中谷さんのおばあちゃん。
生まれも育ちもここ三井。

『金沢におる娘と、娘の職場の看護婦さん達が楽しみにしとってね。』と、嬉しそうに話してくれるおばあちゃん。誰かが待ってくれている、喜んでくれる、それが一番の楽しみのよう。
■もち米の蒸す匂い
もち米を蒸すのはアルミ製の蒸し器。
台所のガスの火にかけられ、湯気がもわもわと上がっています。
昔ながらの木の蒸篭は『おぼたいから(重たいから)』といって、今はアルミ製のものを使っているのだとか。

台所には、湯気とともにもち米が蒸されている匂いが広がっています。
■味も色もバリエーション豊富
蒸し器に布巾を敷いて、寒の水につけてあった餅米の上にいものこ(里芋)を少しだけ載せて蒸す事3、40分。
おばあちゃん曰く、いものこを一緒に入れるとふっくらするんだとか。

おばあちゃんが作るかきもちには、いろいろな味や色のものがあります。
よもぎ入り、青豆入り、みかん入り、昆布入りなどいろいろ。
『これはあなた達が嫌いな色つけるやつ。でも、ほんのちょびっとしか入れとらんから。』といって、手に持っていた食紅をそそくさと隠そうと。
食紅で赤、緑、黄色等の色をつけたもちも作り、見た目もカラフルで華やか。

毎年近所のおばあちゃん達と、今年はどんなかきもちを作ったか情報交換は欠かせないとか。いろいろなアイディアを毎年試しながら、楽しんでいるようです。
蒸しあがった餅米は、餅つき機にいれてスイッチオン。
もちろん上に載っていたいものこも一緒に。
でも、普通の餅を作る時にはいれないとのこと。いものこはかきもちを作る時の裏技。

最初は粒状だったもち米も、餅つき機の中でつかれ、こねられ、だんだんまとまり、一つになっていきます。また、徐々に艶も出て来ました。
■おりにもちを入れるのが熟練の技!
手を入れて堅さ加減をチェック。そろそろと言う状態で、両手を餅つき機にいれて、さっと餅の固まりを取り出し、そのままおりの中へ。
おりには仕切りがついていて、その中に餅を押し込め、キレイに伸ばして形を整えます。
しわにならないようにと。
手早い動きのおばちゃんを見ていると、とっても簡単に見えるのですが、これが意外と難しい作業。熟練が必要のようです。

今日の作業はココまで。
■一枚一枚
数日間かけてもちは固まり、かきもち用に一枚一枚薄切りにします。
薄切りにした翌日に、再びおばあちゃんの家を訪問。

前日に切ったかきもちは、再びおりに戻して詰めてありました。
そうしておくことで、乾燥する時に反るのを防げるというのです。

さて、いよいよかきもちを繋ぐ作業です。
■手慣れた手つきで
『昔は藁で編んどったけど、コンバイン使って刈り取るから,今は藁があんまりなくてね。』と言って、荷物等を縛るビニールテープを使って、とっても慣れた手つきで餅を一枚一枚、編み込んでいきます。

最後の仕上げは、藁の縄を編むように、2本の紐を両手の中で転がしていき、端っこは結んで出来上がり。
編み上げたかきもちは、1,2ヶ月ほど家の2階の日のあたらないところに干しておくそうです。
おばあちゃんの目安では、稲の苗を作るために種を巻き始める頃、かきもちが食べ頃になるとか。
冬の冷たい空気にさらされて、かきもちはますます美味しくなっていくことでしょう。

そして、もちろんおばあちゃんのお嬢さんもそのお友達も、今年のかきもちを楽しみにしていることでしょう。
■取材後記
近所のおばあちゃん達と情報交換をしながら、年々工夫を加えていっているようです。この辺のおばあちゃん達は、寒の入りになるとそわそわ。かき餅作りを始めるようです。そんなおばあちゃん達が、能登にいつまでもいますように。
(取材・文 姥浦千重)
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